こんばんはyukiyanです。
今回紹介するのは口入屋兇次です。
必殺仕事人が好きな人は絶対買いです!
分かりやすい勧善懲悪モノですが、話の深さは「必殺」の比じゃありません。
読み応えのあるストーリーと濃厚な絵があなたを嫌が応にも江戸時代に引きずりこむこと間違いなし!
随所に散りばめられた小物や言葉の端々に、この時代のことをたくさん勉強されたのだろうなと感心してしまいます。
先ほども触れたように、この作品は勧善懲悪モノです。が、私は「人間の再生ストーリー」とも取れると思うのです。
人間誰しも挫折や裏切りに遭い、心折れそうになることはありますよね。
でも、どんな目にあっても必ず立ち直れる、そう思わせてくれる良書です。
ところで口入屋とは、現代でいうところのハローワークや派遣業者のようなものだそうです。参勤交代で江戸にやってきた大名屋敷の守護や、期間限定の工事をする人などを斡旋していたんだそうですよ。口入屋は舐められないために腕っ節の強いお兄さんがやっていたそうです。
この作品の主人公・兇次もまたごついお兄さんです。5人いっぺんに斬りかかられても軽くいなして全滅させてしまいます。最後に悪人をやっつけるのももちろんこの人。いつも小気味良いラストに導いてくれます。
時代劇好きに一番オススメなのが1巻に収録されている「夜鷹の秘め事」です。
夜鷹とは、お店ではなく道でお客を取る女性たちを指します。
武家の奥方から夜鷹に落ちようとしていたお絹さんが兇次の仲間に救われるところから話は始まります。夜鷹になってまでお金が必要だったワケ。旦那との関係・悲しい過去。。。
必要だったお金が揃った時、最愛のあの人が帰らぬ人となってしまう。
エグいくらいひどい話ですが、最後の最後にお絹さんのたくましさが美しく輝きます。
これぞ勧善懲悪時代劇!と言わんばかりに役者の揃ったお話です。
猛烈にオススメします。そしてお絹さんは3巻にも登場しますよ。
1巻と見比べてみてくださいね。べっぴんさんになってますよ。
作者は岡田屋鉄蔵。どんないかついおっさんなのかと思いきや、実は「女性」!
しかもBL好きの腐女子です!
出てくる男性がやたら描きわけられていることと、自立した女性ばかり出てくることに違和感を覚えたのですが、作者が女性と知ってなぜか腑に落ちました。
ぜひ、そこはかとなく漂う作品の「女性らしさ」も一緒にご堪能ください。
既刊3巻で終了なので、全巻揃えて一気読みするのがオススメです。